武藤嘉紀を悩ますアジア杯合流のジレンマ。「代表で試合に出ないと」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 11月3日のワトフォード戦で左ふくらはぎを痛め、武藤は約1カ月にわたり戦線を離脱した。復帰後もベンチスタート+出番のない状況が4試合続き、負傷から約2カ月後のリバプール戦(12月26日)でようやく実戦に復帰した。

 復帰後ピッチに立ったのは、先発フル出場したリバプール戦と、途中出場した今回のマンチェスター・U戦の2試合のみである。アディショナルタイムを含めても、2試合のプレー時間は合計108分しかない。

 しかも、日本代表に合流しても先発出場の保証はない。最前線の1トップには大迫勇也(ブレーメン)が君臨し、攻撃的MFには南野拓実(ザルクブルク)や堂安律(フローニンゲン)、中島翔哉(ポルティモネンセ)が頭角を現してきた。浅野拓磨(ハノーファー)の負傷離脱により追加招集を受けた武藤は、あくまでもバックアッパーの位置づけだ。つまり、負傷から復帰後も、約2カ月間にわたり試合に出られるか、出られないかの微妙な状況が続くことになる。

 それでも、武藤は気持ちを切り替え、前向きに力を込めた。「総力戦」といわれるアジアカップで日本代表の力になるためにも、結果を残すことに全力を注ぎたいと誓った。

「(代表で試合に)出たいというより、出なきゃならないですよね。(プレーするポジションは)サイドではなく、前線だと思う。サコ君(=大迫勇也)がファーストチョイスだと思いますけど、サコ君が全試合に出られるわけじゃないと思うので。もちろん、サコ君とポジション争いしなくちゃいけない。

 森保ジャパンになって、前の選手が結構固定されている印象なので、そこに食い込んでいかないといけない。アジアカップは総力戦でもあるので、とにかく、チャンスをもらえたら、そこで結果を出すことをイメージしています。

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