2019.01.05

武藤嘉紀を悩ますアジア杯合流の
ジレンマ。「代表で試合に出ないと」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

 1月2日、対マンチェスター・ユナイテッド戦。ニューカッスル・ユナイテッドの武藤嘉紀に出番の声がかかったのは、0−1の相手リードで迎えた78分のことだった。

 急いでユニフォームに着替えてテクニカルエリアで交代を待つと、その間にマンチェスター・Uに2点目を奪われてしまった。81分に出場し、残り時間は9分。失点の直後に武藤は投入されたが、相手に守備を固められ攻撃のスペースも少なく、大きな見せ場のないままニューカッスルは0−2で黒星を喫した。

ベンチから戦況を見つめる武藤嘉紀 試合後、武藤は静かに語った。

「(運を)持ってないですね。入る前に決着ついちゃった感じで。チームとしても、逆転するという、あれ(=気持ち)がなくなってしまっていた。相手もしっかり後ろを固めて、前にもう任せる感じになった。ただ、(自分の)調子は非常にいいですし、体もキレている。こういう状況になっても、やっぱり点を獲らないといけなかった」

 武藤としても、難しい試合展開だった。この日もニューカッスルは、CFサロモン・ロンドンへのロングボール攻撃ばかり。得点チャンスは長いボールやクロスボールの大味なアタックからしか生まれず、武藤はなかなかボールに絡めなかった。

 それでも、サイドに開いてボールを受けようとしたり、長いボールのセカンドボールを拾おうとしたりしたが、得点機を掴めなかった。シュート数は0本。6分間のアディショナルタイムを含めて約15分間プレーしたが、試合の流れを変えられなかった。

「今はチームの攻撃が、『ロンドンに全部蹴って』という形。クロス頼りになってしまった。あれで勝ったらOKだけど、勝てないと、今日みたいに雰囲気が最悪になる。

 もちろん、それを監督が求めているなら、やらないといけない。とにかく、サロモン(・ロンドン)が前線で収めてくれたら、自分は今日みたいに裏に走る。俺がその裏をとる。その形を徹底することによって、『こいつ使おう』となると思うので」