W杯で話題になったVARはサッカーのトレンドをどう変えるのか? (6ページ目)
小澤 そうですね。ここは統一してルールを決めて運用するしかないんですけど、個人的にはテクノロジーの発展についていくという流れは致し方ないのかなと思う部分があります。今大会を見ていると、レフェリーが試合の流れを止めたくないと思うあまり、試合をストップしてVARを見に行くという行為を避ける傾向は見えました。
たとえばレフェリーが、スマホのような端末を持って、その場ですぐに映像確認できるような時代にすでになっていると思うので、今後そういうものが開発されてくれば、今のようなタイムロスもなく、スムーズにどんどん映像をチェックできるのではないかなと思います。そういうことが今後各リーグで運用されて、新しいものを取り入れていくのではないかなと思います。
倉敷 もうひとつ、VARが与える影響ということについて、要するに、ペナルティーエリアの中でのファウルというものが、オフェンス側のファウルだけではなくてディフェンス側のファウルがかなり厳しく取られるようになってしまったことが、VARの特徴のひとつだと思うんですが、これはディフェンスの仕方に影響を与えますか。
小澤 間違いなく、今大会を見ていると、グループリーグ、グループステージと、ラウンド16からでは、各チームのボックス内での守備の対応は変わっていました。やはり、守備、ディフェンスラインの選手がボックスに入った時には、とにかく少しでも自分自身がファウルになりそうなプレーというのは自重しているように見えました。
実際にそれによってPKも吹かれていましたから、そういう意味では守備陣にとっては少し手痛いというか、厳しいVARの導入になっていますので、守り方自体がやはり変わってきている。プラス、チームの戦術としても、いかにボックス内に入っていくかというところが、より重要度を増したのが今大会、特にラウンド16以降の戦いだったのではないかなと見ています。
倉敷 なるほど。ボールのポゼッション、それがどういうかたちでエリアの中に入っていくかということがこれからの変化になると思います。次回の「蹴球最前線」、その辺についても触れてみたいと思います。
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