GK史上最高額! チェルシーが獲得した
「100億円の男」ケパとは? (2ページ目)
「まるで漫画のキャラクターのように、手足が伸びるような感覚がある」
敵のシューターたちはそう言って唸る。上も下も、空いているはずのコースを切られているような印象を受けるというのだ。
ケパを生んだバスク地方はホセ・アンヘル・イリバル、ルイス・アルコナダ、アンドニ・スビサレータなど歴代のスペイン代表の半分以上を生み出し、GK王国といっても過言ではない。
その理由のひとつは、バスク地方で親しまれるペロタやビーチサッカーにあるといわれる。さまざまなスポーツに興じることで、動体視力やダイブする感覚を学べるのだ。
とりわけペロタは、バスクでサッカーと並ぶ人気スポーツだ。フロントンと呼ばれる試合会場は、どんな小さな村にも建っている。ペロタは素手で硬球を壁に打ち合い、空中を飛ぶボールの芯を捉えて叩くだけに、エリア内でプレーする機会が多いGKやFWに影響を与えるという。ケパもペロタの愛好者だ。
また、変わった経歴も持つ。チームメイトから「Jilguero」というあだ名をつけられているが、これはスペイン語でヒワ(すずめ科の鳥)という意味。ヒワを捕まえ、手なずけ、美しくさえずらせる大会に出場し、優勝しているからだ。
辛抱強く向き合える性格なのだろう。冷静沈着。取り乱すことがない。
「ケパは浮ついたところがなく、落ち着きがある。GKとして能力だけでなく、そのキャラクターも天分に恵まれている。精神的に成熟した選手で、きっと偉大な選手になるだろう」
同じバスク人GKだったジュレン・ロペテギ(前スペイン代表監督、現レアル・マドリード監督)も絶賛している。
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