ベンゲルの去ったアーセナル。エメリ新監督の改革は吉と出るか
プレミアリーグの新シーズンが8月10日に開幕する。
昨シーズンはマンチェスター・シティが圧倒的な強さを見せつけて戴冠。彼らが記録した「勝ち点100」「106得点」「38試合中32勝」はいずれもプレミアリーグ史上最多で、2位のマンチェスター・ユナイテッドを勝ち点で19ポイントも引き離しての圧勝だった。今シーズンも、ジョゼップ・グアルディオラ監督の率いるマンチェスター・Cが優勝候補の筆頭だ。
今シーズンから名門アーセナルを率いるウナイ・エメリ監督 また、ニューカッスル・ユナイテッドへの移籍が決まった武藤嘉紀をはじめ、レスター・シティで契約最終年を迎える岡崎慎司、サウサンプトンで在籍7季目に入る吉田麻也の日本人選手の活躍にも注目が集まる。
そんななか、大きな節目を迎えているのが、スペイン人のウナイ・エメリ監督率いるアーセナルだ。昨シーズン限りで1996年から指揮を執ったアーセン・ベンゲル監督が退任。長期政権にピリオドを打ち、バトンは68歳のベンゲルから46歳のエメリへと渡った。
チームの全権を託されていたベンゲルがクラブを離れたのだから、当然のようにアーセナルでは大きな変化が生じている。たとえば、7月から開始したチームトレーニング。
ベンゲル体制では、オフ明けの練習はボールを使わないフィットネスメニューで身体を慣らすことに専念していた。ところがエメリ新体制では、練習初日からボールを使ったトレーニングを開始。2日目には、さっそく戦術練習を消化した。また、ベンゲル体制では午前中にトレーニングを1度行なうだけだったが、エメリ体制では練習時間が午後に変更され、トレーニング自体も2部制に変わっている。
さらに、選手の食事の摂り方も変わり、ランチの際にはファーストチーム、U-23チーム、U-18チームの全員が一緒に食事をするようになった。1軍選手とユースアカデミーの選手が同じテーブルを囲むように工夫もなされているという。若手育成に定評のあるエメリ監督らしく、トップチームと下部組織の垣根を取り除くことで、若手の成長を促したい考えが見てとれる。
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