スペインは1000本ものパスの無駄使い。
敗退は決して偶然ではない (2ページ目)
しかし、試合が動いたのはここまでだった。
結局、(ロシアが同点に追いついたあたりのわずかな時間を除き)延長戦を含めた120分間、スペインがひたすらボールを保持して攻め続け、ロシアはひたすら守り続けた。ただ、それだけだ。1-1の末、最後はPK戦を4-3で制したロシアが準々決勝進出を決めた。
PK戦の末、ロシアに敗れたスペイン 率直に言って、見応えのない試合だった。
ロシアは、5-0でサウジアラビアに大勝した開幕戦では4-2-3-1だったフォーメーションを、3-5-2に変え、深く引いて守りを固めた。スペインがペナルティーエリア内に進入しようにも、そのなかは実質5-4-1で構える白いユニフォームで埋め尽くされていた。
例えば、ロシアがベスト4入りした2008年ユーロでは、FWアンドレイ・アルシャビンやロマン・パブリュチェンコを中心とした、電光石火のカウンターが印象深かったが、今のチームにはそれほど明確な武器はない。延長戦に入ってからの戦いぶりを見る限り、PK戦突入は狙いどおりだったのかもしれない。
ただし、だからといって、この試合からスペクタクルを奪ったのは、ロシアの"アンチ・フットボール"だけが原因ではない。
スペインもまた、やたらと無為な横パスをつなぐばかりで、どうやってロシアの守備を崩そうとしているのか、その意図がまったく見えてこなかった。
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