2018.07.02

「王の顔」が消えていたC・ロナウド。
主役の座はカバーニに奪われた

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

 6月30日、ソチのフィシュトオリンピックスタジアム。試合終盤、クリスティアーノ・ロナウドが審判に向かって抗議で詰め寄り、イエローカードをもらっていた。憤懣(ふんまん)やる方ない表情を見せるC・ロナウド。リカルド・クアレスマが見せたドリブル突破はファウルを受けたかのようにも見えたが、笛は鳴っていない。それがほとんどラストプレーとなった。

 ロシアW杯ラウンド16。ポルトガルはウルグアイに1-2と敗れている。C・ロナウドにとって、W杯最後の夜となった。

ウルグアイに敗れ、下を向くクリスティアーノ・ロナウド 試合開始からペースを握ったのは、ウルグアイだった。C・ロナウドに対しても、体当たりで思い切りぶつかっていった。例えばルーカス・トレイラは身長168cmと小柄なMFで、国際的にはまだ無名だが、献身、犠牲、闘争心で敢然と対抗した。

 そして前半7分、ウルグアイは勢いのままに先制する。FWエディンソン・カバーニがボールを中央からやや右へ持ち上がり、左サイドのFWルイス・スアレスに展開。スアレスはディフェンダーと対峙しながら、右足でクロスを打ち込むコースを巧みにつくり、ファーポストにボールを流した。これに走り込んでいたのがカバーニで、高いジャンプから豪快なヘディングで叩き込んだ。

 ツートップによる”壮大なワンツーゴール”だった。

 その後もウルグアイは、強力なツートップが激しくポルトガルのバックラインを攻撃する。それに励まされるように、全員が奮闘した。

「ロナウドのナルシズムと傲岸さが嫌い!」

 ウルグアイ人にとって、C・ロナウドは不人気の選手のひとりだという。集団としての規律と闘志を重んじる国民性だけに、受け入れられないのかもしれない。クラシコでは犬猿の仲である隣国アルゼンチンのリオネル・メッシのほうを応援するほどだ。