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「王の顔」が消えていたC・ロナウド。
主役の座はカバーニに奪われた (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

「我々はいい試合をしたと思うし、これ以上の結果に値した。しかし、試合に勝つのはいつも、より多くのゴールを入れたチームだ」

 試合後、C・ロナウドは淡々と感想を語っている。大会前、謙虚にも「決勝トーナメント進出」を目標に掲げていただけに、それは成し遂げたというところか。大会を通じ、どこか達観したところがあった。

「キャプテンとしてこのチームのことを誇りに思っている。胸を張って帰りたいと思う。これからも多くのことを勝ち取るチームだろう。今後の進退? それについて語るべきタイミングではない」

 34歳のC・ロナウドは代表引退も囁かれている。これだけのタイトルを手に入れながらも、W杯だけは手が届かない。これからどうなるにせよ、ひとつの時代が終わったということだろうか。

 もっとも、そのサッカー人生はこれからもしばらくは続く。

「ロナウドはユベントス移籍で決まりか?」

 試合の翌日、イタリアのスポーツ有力紙「トゥットスポルト」がすっぱ抜いている。C・ロナウドは所属するレアル・マドリードとの契約更新を「評価されていない」と感じて拒否している。それは周知の事実だけに、「移籍に向けた動きは加速する」とも言われる。もちろん、レアル・マドリードがそう簡単に手放すはずもないだろうが......。

 スーパースターは敗れても一面を賑わすものだ。

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