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2部で5位からプレミアへ。
ハダースフィールドの夢を支える無名選手 (6ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 チャンピオンシップでヘフェレは、これまで対戦したことがないようなレベルの選手たちに数多く出会った。「チャンピオンシップには、プレミアリーグでやっていてもおかしくない選手がたくさんいる。ポルト(ポルトガル)からウルブス(ウォルバーハンプトン)に来たルーベン・ネベスだとか。ドイツの2部リーグには、そんな選手は移籍してこない」

 イングランドでのデビューはアストン・ビラ戦。ヘフェレは交代要員としてピッチに入ると、26秒後にゴールを決めた。

「いつかビラ・パークでプレーしたいと思っていた。アストン・ビラは僕にとって大きな存在だったから。ボールを追いかけ、ジャンプして、何とか触ろうとしたら、ボールがちょうど僕の尻に当たって、運よく決められた」。ゴールを決めたときの彼のお得意のパフォーマンスは、手をライオンのかぎつめのようにして掲げてみせるポーズだ。

 ウェンブリーでの昇格プレーオフ決勝には「家族はみんな来たし、友人たちも来た。40人くらいが僕のために来てくれたと思う」と、ヘフェレは言う。

「前の晩はスタジアムのすぐ近くに泊まった。スタジアムを何度も見て、明日勝てばプレミアリーグに、世界最高のリーグに行けるんだと、ワクワクした。次の日、ホテルからスタジアムに入った。ファンが僕らを歓声で迎えてくれる。中に入ると、ロッカールームが信じられないほどすばらしい。ピッチに出れば、4万人のハダースフィールドのファンがいる。試合前に流れた『ゴッド・セイブ・ザ・クイーン』(イギリス国歌)には、ドイツ人の僕でも鳥肌が立った」

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