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2部で5位からプレミアへ。
ハダースフィールドの夢を支える無名選手 (7ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 ヘフェレはPK戦でシュートを決められなかったが、それでもこう語る。「トロフィーを掲げたら、4万人ものファンが僕の歌を歌ってくれた。『デア、デア、デア、ミヒャエル・ヘフェレ』ってやつ。僕は最高の選手ではないけれど、あんな経験をさせてもらったら......」。彼の言葉が途切れる。「......いや、今でも興奮が冷めないんだ」

 これまでヘフェレがプレミアリーグに最も近づいたのは、多くのドイツ人がやるように、年末のボクシング・デイ(12月26日)に行なわれる試合を見に行ったときだ。「ボクシング・デイにチェルシーの試合を見た。あのチームと戦えるとは。それからリバプールとも。(リバプールの伝統ある応援歌の)『ユール・ネバー・ウォーク・アローン』が響くなかでね。でも、見てろよって思う。誰も僕のことを知らないし、そっちはスター軍団だろうけど、これから90分は僕が痛めつけてやるから覚悟しろって思う」
(つづく)

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