かつてのJリーグと似たロシア事情。
W杯開催でサッカー強国となるか (2ページ目)
現在のロシアプレミアリーグの状況は当時のJリーグと似ている。多くの外国人選手がせっせと集まってくる、まさに万国旗たなびく場所だ。言い換えれば買い手市場。かつてロシアリーグに、旧ソ連諸国の選手はともかく、旧西側の外国人選手を見かけることはほぼなかった。各クラブの財政が苦しく、獲得する資金がなかったからだ、
一方で質の高いロシア人選手は、中欧州のメジャー国をオートマチックに目指した。スペインリーグで活躍したアレクサンダー・モストボイ、ヴァレリー・カルピン等は、その典型的な選手だ。
チャンピオンズリーグ(CL)決勝をユベントスとアヤックスが争った95~96シーズン。グループリーグを終えた時点で圧倒的な強さを示していたのは、スパルタク・モスクワだった。6戦6勝。得点15、失点4。少なくともこの時点では、ユーベ、アヤックスより上に見えた。
優勝候補の本命と言いたくなる、ド迫力のサッカーを展開していたが、ウインターブレイク後にトーナメントを迎えると、スパルタクは別のチームのように弱体化していた。その間、有力選手を中欧州の有力クラブにごっそり引き抜かれてしまったからだ。準々決勝でナントに通算スコア2-4で敗れる姿には、なんとも言えぬ哀愁が漂っていた。
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