かつてのJリーグと似たロシア事情。
W杯開催でサッカー強国となるか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 本田とCSKAの話をすれば、同チームは09~10のCLで決勝トーナメントに進出。セビージャ戦では、加わったばかりの本田のFK弾を決める活躍などで、ベスト8に進出した。先述した95~96のスパルタク以来、ロシア勢としてはこれが2度目のベスト8となる。CL25年史においてベスト8が2回。物足りなく映る数字だが、近年の成績は石油景気を背景に徐々に安定してきている。

 欧州カップ戦の過去5年間の戦績を集計したUEFAリーグランキングでは、スペイン、ドイツ、イングランド、イタリア、フランスに次ぐ6位。2000年代半ばまではトップ10を外れることさえたびたびあったが、2009年以降は6位か7位かで一定している。大国の看板をなんとか維持している。

 とはいえ、大国を自負するからなのだろう、番狂わせの気質に欠ける。代表チームのみならずクラブチームも、だ。受けて立つ、淡泊な傾向がある。格上を破った痛快劇は、例のCSKAのセビージャ戦ぐらい。代表チームではオランダを破りベスト4入りしたユーロ2008ぐらいに限られる。大国なのにチャレンジャーに徹し、番狂わせを起こす可能性を秘めているアメリカとの決定的な違いと言ってもいい。

 選手に関していえば、外に出て行こうとしない内向きの精神も災いしている様子だ。稼ぐためにロシアという寒冷地まではるばるやって来て、次のステップを狙う外国人選手のような、プロ選手としての野心に欠ける。

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