イタリアの名将コンテ「勝利のマネジメント術」を自信満々に語る (4ページ目)
イタリア代表の青いユニフォームに袖を通す意味を知る者だけがメンバーとして名を連ねている。だからこそ、ベテランがチームを力強く引っ張り、若手がベテランを懸命に支えるという理想的な集団になることができた。
要するに、プレーヤーを選ぶ前に、人間として本物の「男たち」を選んだ。ドイツとの戦いを終えた直後のロッカールームで流した全員の涙が、まさにメンバー全員が持てる力の限りを尽くした証だった。
環境が変われば往々にして人は変わるもの。そして、理想的な集団であれば、個々の選手は本来の実力を余すことなく発揮できる。もちろん、そうでなければ彼らのパフォーマンスは極端に落ちる。そういうことだ。
イタリア全土からの批判を受け止め、それをチームの力に変えた指揮官は笑顔だった。しかし、モチベーションだけでは勝利はできない。当然、コンテ監督には勝利するための戦術があったのだ。
■アントニオ・コンテ
1969年7月31日イタリア生まれ。選手として、90年代のユベントス黄金期のメンバーとして活躍。イタリア代表ではW杯、ユーロに出場。2000年に現役引退後、06年にセリエBのアレッツォ監督となり、08年からはバーリを指揮してセリエA昇格。その後、アタランタ、シエナなどの監督も務め、11年ユベントス監督に就任。リーグ3連覇を達成した。14年にイタリア代表監督となり、EURO2016でベスト8進出。今シーズンからプレミアリーグ、チェルシーの指揮を執る。
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