なんと4強のうち3カ国、アルゼンチン人監督がコパ・アメリカを席巻 (3ページ目)
相撲でいうなら、格上相手にがっぷり四つで挑むようなもので、当然、大敗や連敗という結果も珍しくなかったが、この戦い方により選手個々のスキルが上がり、W杯アメリカ大会本番では決勝トーナメントに進出。これをベースに進化を続け、今ではW杯の常連となっている。
しかし、ドイツ代表を率いた経験のあるユルゲン・クリンスマン現監督は現状に満足していない。世界の強豪国に勝つこと、そしてコパ・アメリカで優勝することを本気で狙っている。
クリンスマンは、総合力で劣るアメリカが勝つためにはカウンターが最善の道と考えた。しかし、時代に逆行するサッカーをするというわけではない。以前のようにただ守備を固めるのではなく、相手ボールになってからの切り替えの速さを導入した。攻められると、瞬時に6名がペナルティエリアまで戻りゴール前にカベを作る。このカベと、ボールにプレスをかける選手とで挟み込んでボールを奪い返す。カウンターの出発点が深いため、中盤や前線にスペースが多く展開がしやすい。通常の攻撃に加え、守備からの速いカウンターもある二刀流だ。
エクアドル相手にはポゼッションで上回られながらも、この作戦が功を奏し2-0とリード。このスタイルは、選手の消耗が激しく、終盤はヨレヨレとなったが、かろうじて2-1で逃げ切った。
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