テンションは高いが点は入らず。イングランド猛攻も実らずドロー

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

イングランドの攻撃を牽引したララーナ(右)とバーディーイングランドの攻撃を牽引したララーナ(右)とバーディー サンテティエンヌで行なわれたイングランド対スロバキア。B組のライバル、ウェールズより上の順位でフィニッシュしたいイングランドが、引き分け狙いではなく、最初から勝利を積極的に求めて戦っていたことは明らかだった。

 トゥールーズで同時進行中のウェールズ対ロシアは、前半20分までにウェールズがロシアをリードする展開。ウェールズの後塵を拝すことはサッカーの母国の沽券(こけん)にかかわるとばかりに、イングランドも前半から負けじと攻めた。

 対するスロバキアはどうだったのか。イングランドに引き分け、勝ち点4に伸ばすことで3位以内を確実にしようと考えたのか。勝つ気はあるのかと言いたくなるぐらい消極的なサッカーをした。

 3位チームは6チーム存在する。そのうちベスト16に進めるのは、成績のよい上位4チーム。勝ち点4あれば、その中に滑り込むことはほぼ確実だ。1位狙いのイングランドと、3位狙いのスロバキア。その気持ちの差が、一方的な試合展開となって現れた。

 どちらに頑張ってもらった方が面白くなるかと言えばスロバキアだ。白熱する上にB組が混戦になる。だが、スロバキアはこちらの期待に反するプレーをした。その結果、ピッチには実力差以上の姿が描き出された。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る