2016.06.20

首位で決勝T進出のフランス。「特殊なサッカー」は強豪国に通用するか

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 赤木真二●写真 photo by Akagi Shinji

フランスの中盤で存在感を発揮するポール・ポグバ フランス2勝、スイス1勝1分。フランスは突破を決め、スイスもほぼ大丈夫という設定の中で行なわれたA組の3戦目。

 結果は0−0で、フランスに続き、スイスも2位で通過を決めた。きわめて常識的な結果に終わったが、お互いが空気を察し、気の抜けた戦いを繰り広げたわけではない。それなりに面白い試合だった。目に新鮮な試合と言ってもいい。

 この0−0を、あえて独自の判断で数値化すれば53対47になる。フランスやや優勢。だがその差は僅かで、実際のスコア(0−0)は、妥当な結果になる。

 開催国で優勝候補の本命であるフランスに対し、スイスの人気は10番手以下。フランスは、この試合に余裕をもって臨める立場にあったとはいえ、それを差し引いても「53対47的な0−0」に満足することはできないだろう。前戦アルバニア戦に続く苦戦。ホームではなくアウェーなら、やられていた可能性さえ感じる。

 ところで、フランスは美食の国だ。食に対して並々ならぬこだわりがある。食の水準の高さは欧州随一。食への高いこだわりを持つ日本人が、シンパシーを抱きやすい国だ。日本人には80年代、そのフランスのサッカーに心酔した過去があるが、理由はサッカーが美味に見えたから。コク、うま味成分満載の食事を口にした時に抱く、なんとも言えぬ満足感。それに近い感じが、当時のフランスサッカーには満載されていた。