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ドイツ杯決勝。香川真司が敵将グアルディオラに鍛えられたこと (4ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

 それでもペップの方が上手で、香川はボアテングに2つのアシストを許してしまった。1つ目はボアテングからのトーマス・ミュラーへのロングパス。2つ目は同じくボアテングからロベルト・レバンドフスキへのロングフィードだった。

「ボアテングとシャビ・アロンソはフリーにさせるなと言われていた中で、(CBの)ハビ・マルティネスが真ん中に入ってボアテングが右にいることが多かったんですけど、ボアテングが右に入ったときに誰が(マークに)行くのか……俺もシャビ・アロンソに付いていましたし、そこは持たせるしかなかったので」

 背後を取られてしまった最終ラインにも責任はある。前線からの守備に関して、どちらの場面でも香川を責めることはできない。実際、どちらの場面でも香川は最重要タスクであるアロンソのマークはできていた。アロンソへのパスコースを切りながら最終ラインにプレッシャーを掛けることもひとつの選択肢ではあったが、そうすればポンポンと短いパスでアロンソに繋がれてしまう危険性があった。そうなると最終ラインのボアテングに対してはある程度のプレッシャーを掛けながらも、ボールを持たせるしかなかった。

 2つ目のボアテングのアシストについていえば、それでもある程度香川がプレッシャーを掛け、ボアテングに利き足でない左足でロングボールを蹴らせてのものだった。「あの位置はなかなか……もうしょうがないです」と香川が振り返ったように、その状況からピンポイントでボールを送り込んだボアテングを褒めるしかなかった。

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