CLでチェルシーとドロー。苦肉の策が功を奏したパリSG (3ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 もちろんそれがすべてとは言わないが、結果的にチェルシーは攻撃面において何もできずに終わっている。この試合のシュート数は前半で記録した2本だけで、そのうち枠内シュートは先制ゴールとなったブラニスラヴ・イヴァノヴィッチのヘディング1本のみ。前半は上回っていたボールポゼッション(54%対46%)とパス本数(231本対227本)も、後半はビハインドを背負ったパル・サンジェルマンが攻撃に出たため、最終的にはポゼッション(46%対54%)でもパス本数(435本対524本)でも完敗している。

 チェルシーは、ゴールチャンスの数でもパリ・サンジェルマンに圧倒された。後半9分に決められたFWエディンソン・カバーニのヘディングシュート以外にも、少なくともGKティボ・クルトワは3、4度のスーパーセーブを見せてゴールを防いでいたことを考えると、やはり勝利に近かったのはパリ・サンジェルマンだった。

 さて、注目されるのは、3月11日に予定されている第2戦である。

 まずビハインドを背負うパリ・サンジェルマンは、それまで約4週間あることを考えると、チアゴ・モッタやルーカス・モウラといった主軸が戦列に復帰するのは濃厚と見ていい。また、ズラタン・イブラヒモビッチがここにきて試合を重ねるごとにトップフォームに近づいている点を含めると、次戦は万全のチーム状態が期待できそうだ。

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