CLでチェルシーとドロー。苦肉の策が功を奏したパリSG

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 勝利に値する素晴らしいパフォーマンスを見せたホームのパリ・サンジェルマン(PSG)としては、内容はポジティブでも結果はネガティブと捉えるべきだろう。一方、慎重になり過ぎて何もできなかったチェルシーは、結果はポジティブでも内容は極めてネガティブだったと言っていい。

 チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第1戦、パリ・サンジェルマン対チェルシーのビッグマッチは、第2戦への余韻を大きく残しながら、1-1のスコアで試合終了のホイッスルが響いた。

 昨シーズンは準々決勝で対戦した両チーム。チェルシーがアウェーゴールを持ち帰るのはそのときと同じだが、1-3で敗れた前回と違い、今回は勝ち点1を手にしている(昨年の第2戦はチェルシーが2-0で勝ち、アウェーゴールの数でチェルシーが準決勝進出)。客観的に見れば、第2戦を有利な立場で迎えられるのは、明らかにチェルシーということになる。チェルシーがポジティブな結果を得たという理由はそこにある。

MFで起用されたダビド・ルイス(左/パリ・サンジェルマン)MFで起用されたダビド・ルイス(左/パリ・サンジェルマン) この試合のポイントとなったのは、やはりパリ・サンジェルマンのロラン・ブラン監督が本来CBのダビド・ルイスを中盤センターに抜擢した采配だった。抜擢と言えば聞こえはいいが、実際はその逆。苦肉の策と言うのが正しいと言える。

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