CLでチェルシーとドロー。苦肉の策が功を奏したパリSG (4ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 しかし、この日のダビド・ルイスのプレイを見たブラン監督が、第2戦でチアゴ・モッタを中心とした本来のポゼッションスタイルに回帰するかどうかは、また別の話になるかもしれない。今シーズンのチアゴ・モッタのパフォーマンスが昨シーズンよりも落ちているということもあり、守備バランスを重視して第2戦に挑むのか、それとも開始からチェルシーを圧倒すべく攻撃的に挑むのか。そこが選択の分かれ目となりそうだ。

 逆にチェルシーは悲観的になる必要はない。ホームのスタンフォード・ブリッジは、どのチームにとっても難攻不落。オスカルの負傷も完全に癒えるだろうし、第1戦とはまったく異なるチェルシーが見られる可能性は高い。第1戦で影を潜めた多彩な攻撃も、モウリーニョ監督が思い描く通り、第2戦で一気に爆発するかもしれない。

 第1戦は一瞬たりとも目が離せないような緊張感の中、ハイレベルかつスリリングな戦いとなった。第2戦も昨シーズン同様、大接戦となることは間違いないだろう。しかも、通常の国内リーグ戦と違って、ここぞというビッグマッチにおけるパリ・サンジェルマンの底力を改めて見せつけられた第1戦を踏まえれば、延長戦やPK戦での決着というストーリーも十分考えられる。

 昨シーズン同様、チェルシーのアウェーゴールが勝敗を分けるのか、それともパリ・サンジェルマンが逆転勝利を収めて3シーズン連続のベスト8進出を果たすのか。パルク・デ・プランスに試合終了の笛が響いた瞬間の静けさと余韻は、固唾(かたず)を呑んで見守るファンの期待の大きさを表していた。

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