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「守備的MF」とは名ばかり。W杯を席巻するピッチ上の監督たち (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 攻守両面に渡って強い影響力を行使できる選手。これこそがサッカー本来の司令塔だ。ピッチの真ん中付近で構える選手、あるいはその少し下で構える選手。ポジション的に該当するのは彼らだ。

 グアルディオラ(バイエルン監督)、シメオネ(アトレティコ・マドリード監督)、アンチェロッティ(レアル・マドリード監督)。今季チャンピオンズリーグのベスト4に進んだ監督のうち、3人はそのポジションの出身だ。

 守備的MF、ボランチ、ピボーテ、センターハーフ、セントラル・ミッドフィルダー、チェントロカンピスタ等々、呼び方は様々だが、彼らこそが、事実上の司令塔になる。ピッチ上の監督になる。

 即、連想するのは、シャビ・アロンソ(スペイン代表/レアル・マドリード)だ。異色の大卒選手だから言うわけではないが、見るからに思慮深そうだ。ベンチに座る監督と同じくらい、見えている。まさに監督向き。司令塔と言いたくなる選手だ。

 同じレアル・マドリードで、それより若干高めのポジションでプレイするモドリッチ(クロアチア代表)は対照的に、局面に強い選手だ。細やかな技術と運動量で、いいタイミングで繋ぎに入る。奪われても落胆することなく、鋭い反応で、ボールを奪いにかかる。巧さとしぶとさを兼ね備えるセントラル・ミッドフィルダーだ。

 4-2-3-1メインで戦うクロアチア代表では、守備的MFに入ることが多い。コンビを組むのは、セビーリャの中心選手として今季のユーロリーグ優勝に貢献したラキティッチ。こちらは、モドリッチとは対照的にスマートなプレイをする。視野が広くパス能力の高い、品のあるプレイをする。セビーリャ以上のクラブでプレイする力は十分にある。ビッグクラブがいま最も目をつけている選手といっても言い過ぎではない。


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