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【フランス】ようやくスウェーデン人に「なった」イブラヒモビッチ (2ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 2009年、イブラヒモビッチは記録的な移籍金でバルセロナに移った。これが彼のキャリアの絶頂期になるはずだったが、そうではなかった。

 イブラヒモビッチの目に、バルセロナは「学校」のように見えた。「メッシ、シャビ、イニエスタ......みんないい生徒だった。笑えるよ。監督が指をパチンと鳴らしたら、みんなジャンプするんだ」

 イブラヒモビッチにとって最悪なのは、その監督だった。世界中が尊敬の目を向けるジョゼップ・グアルディオラである。イブラヒモビッチは自伝の中で、グアルディオラを「あほ」と呼んでいる。グアルディオラはイブラヒモビッチの挑発を受け流し、彼と口をきかなくなった。イブラヒモビッチは誰にも相手にされないゲットーの少年に舞い戻った気がした。

 1シーズンだけで(そのシーズンは当然ながらバルサが優勝した)、バルセロナはイブラヒモビッチをACミランに売った。ここでも彼は当然ながらタイトルを獲得した。

 ところがミランのオーナーであるシルビオ・ベルルスコーニは、政界を離れてからクラブに金を使わなくなった。そこで今年の夏、ミランはイブラヒモビッチをパリ・サンジェルマンに売った。

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