【Jリーグ】「オシムさんの面影を引きずり続けた」 巻誠一郎がジェフ千葉17年ぶりのJ1昇格で言いたかったこと (4ページ目)
【オシムさんがいなくなったあと】
ここからはあくまで僕の私見になりますが、やっぱりジェフに関わる人のなかには、イビチャ・オシムさんの面影が今も残っていると思います。
クラブのスタッフや選手、サポーターも含めて、オシムさん時代のいいイメージであったり、オシムさんの意思というものがどうしても頭のなかに残っていて、それを引きずり続けた17年だったなと感じています。
もしかしたら、そのなかに僕の存在も少しはあるかもしれないですね。今回、昇格した時にもいろんなメディアからインタビューされることが増えました。
ただ、うれしいことである反面、クラブにとってはあまりよくないことなのかなとも同時に思っていて。選手が変わり、監督が変わり、クラブとしていろんなことが進んでいくなかで、やっぱり今いる選手や監督がリスペクトされるべきだし、そこにベクトルが向けられるべきだと思うんです。
オシムさんがいなくなったあとも、それはすごく感じていたこと。僕も含めて、いなくなった監督の影響力や影を追い続けていた人は多くいると思います。もちろん、すばらしい監督だったのは間違いないですが、前に進むためには過去の栄光にすがるのではなく、未来に目を向けていかないといけない。
僕も何かあるたびに、ジェフというクラブの象徴としてメディアに出ることが多いですけど、本当は今の選手や監督がフォーカスされるべきだと思います。そして何よりも、ファンやサポーターがフォーカスされるべきなんです。
17年間あきらめず、ジェフを支えてきてくれた。そういう意味では、歴史を作ったのはオシムさんでも、もちろん僕でもなく、変わらず応援し続けてくれたサポーターなんだと思います。
今回、J1に復帰して、ジェフの新しい歴史が幕を開けます。その大事な1年で彼らに期待したいことは、何よりすばらしい試合をしてほしいということ。
昨年のシーズン終盤からプレーオフにかけて、フクアリは常に満員だったと聞きました。やっぱり、いい試合をすると、お客さんが入るんです。ファン・サポーターがわくわくするような試合を期待したいですし、常にチャレンジャー精神をもって、前に進むことが大事なんじゃないですかね。
満員のフクアリは、どこのチームもやりづらいはずですから。奇跡が生まれたあの試合のように。
<文中敬称略/了>
【profile】
巻誠一郎(まき・せいいちろう)
1980年8月7日生まれ、熊本県下益城郡小川町(現・宇城市)出身。大津高→駒澤大を経て2003年にジェフユナイテッド市原(現・千葉)に入団し、イビチャ・オシム監督のもとで急成長を遂げる。2005年に日本代表デビューを果たし、2006年ドイツワールドカップも出場。2010年にジェフ退団後はアムカル・ペルミ(ロシア)→深圳紅鑽(中国)で海外クラブを経験したのち東京ヴェルディに加入する。2014年から地元・ロアッソ熊本の一員としてプレーして2018年に現役引退。国際Aマッチ38試合8得点。ポジション=FW。身長184cm。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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