【Jリーグ】引退する柏好文が感謝を伝えた城福浩と森保一から帰ってきた言葉と「いい思い出」 (5ページ目)
【涙を流して悔しがってくれた】
2024年シーズンを終え、11年間を過ごした広島のファン・サポーターに別れの挨拶をした時、『また会おう、レジェンド』と掲げてくれた横断幕に、自分の足跡を実感した。現役を引退する生え抜きである青山敏弘とともに、自分も「レジェンド」のひとりとして認めてもらえたことがうれしかった。
アウェーでロアッソ熊本と対戦したJ2最終節は、メンバー入りするも、試合が0-0で進んでいたこともあり、出場機会は得られなかった。ベンチに下がってきた若手選手が、「僕らが前半で点を取っていたら、こんな展開にならなかった」と、試合中から涙を流していた。ほかのチームメイトも、柏がピッチに立てなかったことへの憤りを露わにしていた。
「試合に出たいという気持ちもありましたけど、でも、逆によかったかなとも思っていて。自分以上に、みんなが悔しがってくれていて。その姿を見て、笑っちゃいましたからね。悔しさよりも、自分のこの1年間が報われた気がして、心の底からうれしかったんです。ホント、幸せだったなって」
自分が培ってきたものをチームに還元したい。そう決意して甲府に戻ってきた2025シーズンだった。
病を乗り越え戦ってきた日々は、多くのチームメイトが本気で悔しがる姿が証明していた。それこそが、再会した柏好文に感じた清々しさだった。
<了>
【profile】
柏好文(かしわ・よしふみ)
1987年7月28日生まれ、山梨県南巨摩郡出身。韮崎高から国士舘大を経由して2010年にヴァンフォーレ甲府に加入する。2012年のJ2優勝には主力として貢献し、J1でも豊富な運動量が高く評価されて2014年にサンフレッチェ広島へ完全移籍。2015年のJ1優勝時も存在感を示し、広島に欠かせぬ選手となる。2025年に12年ぶりの古巣復帰を果たし、同年11月に引退を発表。Jリーグ通算408試合37得点。ポジション=MF。身長168cm、体重62kg。
著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。
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