【Jリーグ】引退する柏好文が感謝を伝えた城福浩と森保一から帰ってきた言葉と「いい思い出」 (4ページ目)
【新スタジアムで最高の思い出】
90+1分に佐々木翔のヘディングシュートが決まり、2-2に追いついた90+6分だった。左サイドの山岸智が挙げたクロスにドウグラスが反応したが、ミートできずにボールがこぼれる。続けて浅野拓磨が右足で狙ったが、DFに当たって再びボールはこぼれた。そこに待っていたのが、柏だった。すかさず右足を振り抜くと、ゴール右隅へと吸い込まれた。
「有言実行でしたよね。試合後には記者の全員が、自分のところに話を聞きにきましたから。結果によって、すべてを覆すことができる。これがプロの世界だなと、あらためて実感しました。結果ひとつで、すべてを変えられる世界なんだな、と」
ホームに戻った第2戦でも0-1の劣勢で迎えていた76分、右サイドからクロスを挙げると、浅野のヘディングでのゴールをアシストした。ウイングバックとしてクロスから数多くのアシストを記録してきた柏は言う。
「拓磨からしてみたら『カシさん(柏)ならここにパスが来る』というような場所に蹴ったクロスでした。いつも空間にボールを置くようなクロスを蹴っていたんです。
指導者によっては、DFの間を抜けるようなボールを蹴れという人もいましたけど、クロスはどれだけ弱いボールでもいいから、点と点で合わせないと絶対にゴールにはつながらないと思ってきた。ミヒャエル・スキッベ監督も同じように『点で合わせろ』と言っていたのを聞いて、自分の感覚が正しかったと自信を持ちました」
広島では2022年のルヴァンカップ優勝も含めてふたつのタイトル獲得に貢献し、11年間プレーした。クラブの転換期のひとつだった新スタジアム、エディオンピースウイング広島でプレーできたことも、最高の思い出のひとつだ。
「まずリーグタイトルを獲れたことが大きな経験のひとつで、そのあと、FIFAクラブワールドカップ、AFCチャンピオンズリーグと国際舞台を経験させてもらえたことで、選手としては多くの引き出しを持つことができました。
決勝の舞台も何度も経験させてもらいましたし、外国籍の監督を含めていろいろな指導者のもとでプレーさせてもらいました。また、広島というクラブが大きく変わろうとした新スタジアムの誕生に関わり、そこでプレーしたことは大きな財産になっています」
そう言った柏は、「プレーしたくても、できなかった人たちがたくさんいましたから」と言って、先輩たちの顔を思い浮かべていた。
「広島という街全体が活気づく雰囲気を、選手として感じられたことが最高の思い出です」
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