【Jリーグ】鹿島、柏、京都 J1上位3チームの共通点 福田正博が指摘する監督の優れた能力 (3ページ目)
【京都の3位躍進に監督の変化あり】
クラブ史上最高成績の3位になった京都には、「よくやった!」と言いたい。
曺貴裁監督は現役時代に一緒に浦和でプレーし、指導者になってからも親交が続いているが、今季は開幕前に「変わったな」と感じていた。「ラファエル・エリアスには自由を与えたほうがいい」と話していたからだ。
以前までの曺監督なら、FWに得点力がどれだけあっても、守備を怠ることは譲らなかった。変化のきっかけは2020年、2021年に京都に所属したピーター・ウタカ(現栃木シティ)が、守備はしなくともゴールという結果を残したからだろう。昨季途中から加入したラファエル・エリアスも圧倒的な得点力を持っていたことで、守備の部分は目をつぶっても、得点力が最大限に生きるようにと柔軟に対応した。
言葉にするのは簡単だが、一家言を持つのが監督であり、その最たるものが曺監督だったことを知る者としては、懐が深くなったと感じた。もちろん、それ以外の選手たちに求めるハードワークに妥協はない。シーズン途中にキャプテンでボランチの川﨑颯太がマインツへ移籍するなど戦力的に厳しい状況になりながらも、最後まで粘り強く戦ってクラブ史上最高の3位を手にした。
曺監督は来季の続投も決まっている。ラファエル・エリアスも複数年契約しているため来季もプレーする予定だ。日本人選手たちも曺監督のサッカーを理解している選手たちが集まっている。来年でJリーグ参入30周年を迎える京都が、さらにハードに、さらに成長した姿を見せてくれることを楽しみにしている。
そのほかのチームに対しても思うところはあるが、シーズン序盤から苦戦した横浜F・マリノスと、戦力的に厳しかったなかで東京ヴェルディがJ1に残留できたことは、本当に喜ばしい。なぜなら、来季はジェフユナイテッド千葉が17年ぶりにJ1に帰ってくるからだ。
Jリーグ創設時の「オリジナル10」が揃い、リーグは秋春制への最初のシーズンに挑む。Jリーグ黎明期にプレーした者にとっては、感慨深いシーズンになりそうだ。
著者プロフィール

福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
【画像・トップ10一覧】元サッカー日本代表・Jリーガーが選んだ、スゴイ選手ランキング
3 / 3




















