【Jリーグ】野々村芳和チェアマンがJリーガーの海外移籍に思うこと「クラブがビジネスとして扱うべき」 (4ページ目)
【外国資本が投資したくなる国へ】
そして、Jリーグにも100パーセント外国資本のクラブが誕生した。大宮アルディージャがレッドブルのグローバルグループの仲間入りを果たした。RB大宮アルディージャとなったチームはJ2復帰1年目の2025年シーズンでJ1昇格争いを演じている。
「Jリーグのクラブが投資先になるかどうかについては、『投資したい』と思わせるものがあるのかどうかが、すごく大事なのでは。日本サッカーの魅力、Jリーグの魅力、日本人選手の魅力、安心安全なスタジアムの魅力に加えて、日本という国の魅力も含めて、投資を考える人たちの心に刺さると思うのです。
僕がチェアマンになってから、各クラブに『頭のなかを変えましょう』と言い続けてきました。各クラブが成長できる環境を整えるのが自分の仕事で、5年後、10年後にビジネス的にも世界と戦えるクラブが出てくるようにする。シーズン移行も、そのための施策のひとつなのです」
シーズン移行の先には、クラブの経営規模拡大、海外移籍の健全化、Jリーグの国際的な評価の高まり、といったことが期待される。そして何よりも、試合のクオリティがアップするはずだ。
レベルの高い競争が選手とチームを成長させ、Jリーグの価値を高める。日本サッカーがピッチの内外で国際的にも存在感を示していく、という日が訪れるはずだ。
<了>
【profile】
野々村芳和(ののむら・よしかづ)
1972年5月8日生まれ、静岡県清水市(現・静岡市清水区)出身。現役時のポジション=MF。清水東高時代に高校選手権に2度出場。慶應義塾大に進学したのち、1995年にジェフユナイテッド市原に加入する。2000年にコンサドーレ札幌に移籍し、翌年に29歳で現役を引退。2013年から札幌の代表取締役社長となり、2015年にJリーグ理事に選任。2022年3月に第6代Jリーグチェアマンに就任する。
著者プロフィール
戸塚 啓 (とつか・けい)
スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専
門誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より 7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグ ワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本 サッカー』(小学館)
【写真】高校サッカーインターハイ2025注目選手フォトギャラリー&トーナメント表
4 / 4





