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【Jリーグ】J1夏の移籍で得したクラブは? 上位に即戦力加入 下位も積極補強で巻き返しを図る (3ページ目)

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko

【下位で積極補強したクラブ】

 残留争いを完全に抜け出したい14位FC東京も積極的に動いている。まずは手薄になっていたサイドバックに、ドイツ2部のハノーファーから5年ぶりにDF室屋成が帰還。急務だったストライカーには浦和レッズからFW長倉幹樹を補強し、松橋力蔵監督との再会となった。

 また、ベルギー1部のロイヤル・アントワープへ移籍した野澤大志ブランドンの後釜として、Jリーグでの実績も豊富なGKキム・スンギュ、さらに失点の多い守備陣の立て直しにはDFアレクサンダー・ショルツに白羽の矢を立て、即戦力を的確に加えた。

 降格圏にいる名門の横浜F・マリノスは、ストライカーのアンデルソン・ロペス、DF永戸の退団が、ひとつのサイクルの終焉を象徴する動きだった。降格の危機に瀕しているなかで、J2のいわきFCでブレイクしたFW谷村海那を新たなストライカーとして迎えた。

 さらにイスラエル代表FWのディーン・デイビッド、ブラジル人MFのユーリ・アラウージョを補強。守備陣には1年半ぶりにDF角田涼太朗の復帰が決まった。

 最下位の新潟は稲村隼翔や小見、太田修介、秋山裕紀、宮本英治という主力級がごっそりと抜けて厳しい状況に追い込まれていた。しかし、7月に失った戦力を上回る7人を獲得。充実した新戦力の勢いで、奇跡の残留は実現するか。

>>後編「J1夏の移籍で損しているクラブ」へつづく

著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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