湘南ベルマーレ・山口智監督「たくさんの批判を受けることもあった」 7季連続J1も「残留への危機感でスイッチが入るようではダメ」 (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【残留への危機感でスイッチが入るようではダメ】

――中断明け以降、失点数が減って、第27節北海道コンサドーレ札幌戦に勝利してから8試合で5勝を挙げ、最終的に15位に順位を上げてJ1残留となりました。この終盤のチーム状況は、どのように振り返りますか?

 結果が出ていない時期と比べれば、勝てるようになってきたので、手応えを感じられていました。また、残留しなければいけないという明確な危機感が、自分たちのなかでポジティブなものに変わっていったと思います。ただ、本来それではダメです。

 そこでスイッチが入るのは、昨季だけではなくて、一昨季もそうでした。それは僕の課題です。シーズンを通して安定した戦いをさせるのは、今年やらなければいけないことだと思っています。

――昨季、シーズン中の会見などで、最下位に沈むチーム状況からチームとしてのやり方を変えたほうがいいのかと、葛藤された時期もありました。それでも最後まで山口監督のやり方を貫いたのは、それまでやってきたことに手応えであったり、自信を持って臨めていたからでしょうか?

 そうですね。手応えはずっとありました。物事の「1」が徹底されれば、おのずと「2」も出てくると思います。だからいきなりその「1」を捨てて、「2」は出てこないというのが自分の考え方としてありました。

 ただ、そこから目を背けたい状況でもありました。やり方を変えて発見できることもあったと思います。でも僕が選んだのは、今までやってきた「1」の徹底です。そこから「2」「3」と派生するものの大きさには絶対的な自信がありましたし、そこは選手にも自信を持ってほしいと思っていました。

 もちろん、結果が出ないことで悩んでしまうのは理解できます。そこは僕の責任だと思うので、そこをうまく勝ちにつなげられるようにしていけば、おのずと自信を持ってくれると。だからやり方は変えたくないというか、変える必要はないと思っていました。

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