湘南ベルマーレ・山口智監督「たくさんの批判を受けることもあった」 7季連続J1も「残留への危機感でスイッチが入るようではダメ」 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【7季連続のJ1という話題が悔しい】

――改めて、一時は15試合も勝ち星から遠ざかる苦しいなかから立ち直って、よく残留できたシーズンだったと思います。

 本当にしんどかったです。たくさんの批判を受けることもありました。でもそこから逃げるつもりはなかったですし、シーズンを通してそういうこととどう向き合うかだと思っていました。選手は本当に一生懸命やってくれていたし、自分のところで流れを止める必要があったなと、振り返って改めて感じています。

 決してよくないことばかりではなかったんですが、やっぱり結果というものは本当に大事で、結果を出すことが僕らの目的でもあるので、その一番大事なところが抜けていたシーズンだったと思います。

――今季は7季連続でJ1でのシーズンになります。湘南のJ2降格とJ1昇格を繰り返してきた歴史があるなかで、これだけJ1に定着できていることを監督としてはどのように感じていますか?

 難しいですね。すごく悔しいですよ。湘南以外のクラブであれば、「何年J1に残留できている」という話題にはならないと思います。それだけギリギリのところで残り続けている現状には、本当に力の差を感じています。

 結果としてJ1で戦えるのはこの上ないものだと思っています。だからこそ逃げずに立ち向かって、結果を出してなんとか違うところへ目を向けられるようにしていきたい。何年残り続ける、ではなく、やるからにはもっと上を目指していきたい思いが強いですね。

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山口 智 
やまぐち・さとし/1978年4月17日生まれ。高知県出身。選手時代はJリーグベストイレブン3回受賞の名DF。ジェフユナイテッド市原ユース時代の1996年にJリーグデビュー。2001年に移籍したガンバ大阪では、数多くのタイトル獲得に貢献した。2012年からジェフユナイテッド千葉、2015年は京都サンガF.C.で1シーズンプレーし引退。Jリーグ通算581試合出場51得点。日本代表では国際Aマッチ2試合出場。引退後はガンバ大阪のコーチを経て、2021年から湘南ベルマーレのトップチームコーチに就任。同年9月から監督を務めている。

著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

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