湘南ベルマーレは残留争いクラスから脱却できるか 山口智監督が今季目指す「全員が同じ絵を描く」スタイル
湘南ベルマーレ 山口智監督インタビュー 後編
湘南ベルマーレの山口智監督へインタビュー。後編では、「1年通して約束事を徹底」「全員が同じ絵を描く」という、今季目指しているサッカーのスタイルを語ってもらった。
前編「昨季の反省『残留への危機感でスイッチが入るようではダメ』」>>
毎シーズンJ1残留争いが続いている湘南ベルマーレ。今季上のクラスを目指す取り組みとは? photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る
【1年通して約束事を徹底する】
――先日の今季の新体制発表会で「集大成」「結果を出さなければいけないシーズン」とおっしゃっていました。そんなシーズンを迎えるにあたって、キャンプではどんなことをテーマに臨まれたのでしょうか?
まずは湘南のベースである守備。チームとしてのやり方、約束事を徹底することを1年通してやるつもりです。もちろん、課題の攻撃についても向き合っていかなければいけない。根底のところをもっと突き詰めてやっていく必要があると思っています。
――攻撃面で言えば、昨季はサイドでボールを運べてもそこから崩すアイデア、最後のところでのクオリティが不足していると、監督自身、記者会見でおっしゃっていました。今季はFWルキアン選手やMF鈴木雄斗を獲得して、攻撃面のクオリティアップが期待できる補強だと思いますが、彼らに期待するのはどんな部分でしょうか?
もちろん、彼らは違いを生み出してくれる選手で、ストロングを引き出せるようにやり方を工夫したいと思っています。だからと言って、ふたりに依存するようなことがあってもいけません。
他の選手のストロングも大事です。ただ、それはチームとしてやるべきことをやった上での話。先ほど言ったようにベーシックを徹底すると、いい攻撃につながっていくものだと信じているので、そこは選手たちに厳しく要求していきたいと思います。
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著者プロフィール
篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)
1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。