湘南ベルマーレは残留争いクラスから脱却できるか 山口智監督が今季目指す「全員が同じ絵を描く」スタイル (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko

【自分たちからのアクションで攻守に意図的にできるか】

――成功体験、結果につながれば自信も出てくるということですが、昨季は序盤や中盤は苦しんだものの、終盤は連勝もできて、チームとして今季につながるようないい形での終え方はできたと言えますか?

 いい形で終えられたかどうかはわからないですけど、最後の結果がなぜ生まれたのか。その必然性をもっと植えつけていきたい。偶然はないですけど、ラッキーもありましたし、自分たちの狙いではないところで物事が起こることも多々ありました。

 それをいかに自分たちからアクションを起こして、攻守に意図的にできるか。残留争いをしている時に、そういうものがポジティブに生まれてきました。

――それは昨季、準備の悪さ、際のプレーの甘さを指摘することが多かったですが、終盤の結果が出ている時は、その準備や際のプレーでいいほうへ転んだということでしょうか?

 そうですね。その準備、際のプレーというのは、どっちに転ぶかという局面に大きく関わる問題です。勝てない時期はそこが明らかに足りていなかったという反省があります。それが終盤には球際や勝負への執着心がおのずと出たと思いますし、そこは本当に今年大きなポイントだと捉えています。

 ただ、それが外的要因である"残留争い"という危機感がいつもより増すことで出せるのではなく、内面的なところ、自分たちの基準を高めておのずと出せるようになるのが一番大事だと思います。

 それができれば「何年連続J1」という言葉が払拭されるんじゃないかと。だからJ1に残れたことはポジティブに捉えてやっていきたいですね。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る