今季J1「もったいない選手」...その宝庫だった鹿島、懸念はパリ世代や若きGKの多さ (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 たとえば、24歳のGK沖悠哉(鹿島/出場なし)や、21歳のGK佐々木雅士(柏レイソル/3試合270分)。

 彼らがすぐにでもA代表に入れる選手であるかはともかく、昨季以前にさかのぼれば十分な実績もあり、J1で通用するだけの力は持っている選手である。

 しかも、最近のJリーグではカテゴリーを問わず、GKも加えたビルドアップを企図するチームが増え、彼らのような足元の技術に優れたGKの需要は高いはず。ベンチを温めさせておく(それどころか、スタンドで観戦させておく)くらいなら、"武者修行"に出せないものだろうか。

 20歳のGK野沢大志ブランドン(FC東京/10試合900分)が今季終盤、ようやく定位置を確保するに至ったが、こうした"もったいない若手GK"は"もったいないベテラン"以上に、何らかの対策を講じるべき緊急度は高い。

 GKというポジションはチームにひとつしかないだけに、若手の起用が簡単でないのは承知のうえで、やはりJリーグの現状が若いGKたちに望ましいものとは考えにくい。

 新天地へ送り出すのか。あるいは、手元において競争を促すのか。いずれにせよ、彼らの成長にとって最適な環境が与えられることを望みたい。

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