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今季J1「もったいない選手」...その宝庫だった鹿島、懸念はパリ世代や若きGKの多さ (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 クラブ別に見てみると、もったいない選手の"宝庫"だったのが、鹿島である。

 DF昌子源(21試合644分)、MF荒木遼太郎(13試合447分)、MF藤井智也(22試合931分)、MF松村優太(20試合761分)と、過去の実績や印象ほどに出場機会が得られていない選手は数多い。

 藤井や松村は、必ずしもシーズンを通じて低調なパフォーマンスに終始したわけではなかったが、だからこそ、もったいなさが際立つとも言えるだろう。

 その他のクラブに目を移せば、J1ベストイレブンにも選ばれた北欧CBコンビの牙城を崩せなかったDF岩波拓也(浦和レッズ/8試合218分)、香川真司も加わり、激しくなった中盤のポジション争いに苦しんだMF鈴木徳真(C大阪/19試合664分)といった選手も、本来ならもっと活躍の場が与えられても不思議ではなかった。当然、獲得を狙うクラブが現れてもおかしくない。

 また、20~22歳の若い選手、つまりは"パリ世代"にもったいない選手が多かったのも、今季J1の特徴である。

 DF大畑歩夢(浦和/16試合463分)、MF山田楓喜(京都サンガF.C./17試合737分)、MF谷内田哲平(京都/17試合574分)、MF西川潤(サガン鳥栖/21試合729分)など、U-22代表に名を連ねて国際試合を戦う一方で、所属クラブでは思うような出番を得られなかった選手は少なくない。

 来年のパリ五輪を目指すU-22代表にとっては、選手個々が所属クラブで実戦経験を重ね、成長することが期待されているだけに、各選手の奮起に期待したいところ。選手本人にしても、所属クラブでの活躍がパリへ行けるかどうかに大きく影響するだけに、来季へ期するものはあるだろう。

 そして最後に、これは毎年のように指摘していることではあるが、若いGKをいかに育てるか。この課題については、それぞれのクラブというよりも、Jリーグ全体で考えていくべきなのだが、どうもうまくいっているようには思えない。

 21歳のGK鈴木彩艶(浦和→シント・トロイデン)は過去にもったいない選手として名前を挙げたことがあるが、今季もJ1での出場はなし。ところが今夏、シント・トロイデンに期限付き移籍し、正GKに定着するや、待ってましたとばかりにA代表に招集(というより定着)されるに至っている。

 つまりは、すぐにでもA代表に呼びたいほどの選手が、Jリーグで燻っていたということであり、選手の育成の観点に立てば、由々しき事態と言うしかない。

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