今季J1「もったいない選手」...その宝庫だった鹿島、懸念はパリ世代や若きGKの多さ

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki

 川崎フロンターレと横浜F・マリノスの2強時代に終わりを告げ、ヴィッセル神戸の初優勝で幕を閉じた今季のJ1。選手個人に目を向ければ、FW大迫勇也やFW武藤嘉紀(ともに神戸)ら、経験のある選手が際立つ活躍を見せると同時に、J2から個人昇格1年目のMF佐野海舟(町田ゼルビア→鹿島アントラーズ)、同2年目のDF毎熊晟矢(V・ファーレン長崎→セレッソ大阪)が初めて日本代表に選出されるなど、新星が注目を集めたシーズンでもあった。

 しかしその一方で、実力者でありながら出場時間が限られ、思うようなシーズンを送れなかった選手がいたこともまた事実。彼らは来季へ向け、本来のパフォーマンスを取り戻すべく、巻き返しを誓っているに違いない。

 そこで2023年シーズンを振り返り、リーグ戦での出場時間1000分以下を目安として、今季J1の"もったいない選手"を探ってみたい。

 まず、例年のことながら、こうした選手を探っていくと、どうしても出場機会を減らしたベテラン選手が該当してしまう。

 今季も例外ではなく、36歳のFW小林悠(川崎/16試合518分)、34歳のDF丸山祐市(名古屋グランパス/16試合824分)、33歳のMF水沼宏太(横浜FM/33試合951分)、32歳のMF扇原貴宏(神戸/11試合694分)と、実力十分な顔ぶれが並ぶ。

まだまだ高い得点能力を誇る川崎フロンターレの小林悠。photo by Sano Mikiまだまだ高い得点能力を誇る川崎フロンターレの小林悠。photo by Sano Mikiこの記事に関連する写真を見る なかでも、もったいなさを感じさせたのが、2017年のJ1得点王、小林だ。

 今季4ゴールはその数だけで言えば寂しさを覚えるものの、時間当たりで考えれば、およそ1.5試合に1点を決めている計算になり、相変わらず得点能力は高い。コンディションの問題はあったにもしても、もう少し出場機会が増えれば、まだまだ得点を重ねられるのではないかと感じてしまう。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る