過酷なJ1残留争い 尻に火が付いている3チームのサバイバルを水沼貴史が考察

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

Jリーグ後半戦は、J1残留争いからも目が離せなくなっている。前節は下位3チームがそろって勝利。それぞれの戦力アップの状況と、ここから注目ポイントを水沼貴史氏に解説してもらった。

前編「候補は7チーム J1優勝争いを水沼貴史が解説」>>

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横浜FCは山下諒也(右)のゴールなどで首位・神戸を撃破。J1残留争いが面白い横浜FCは山下諒也(右)のゴールなどで首位・神戸を撃破。J1残留争いが面白いこの記事に関連する写真を見る

【下位3チームの熾烈な争い】

 優勝争いだけでなく、残留争いも毎年のように熾烈なのがJリーグだ。ただ、例年と異なるのは、降格枠が自動降格の最下位の1枠のみとなっている点。とにかく最下位だけは避ければいいということで、終盤には守り倒して勝ち点1でも取れればいいといった戦いになってくるだろう。

 下位グループでは、12位のガンバ大阪は序盤戦で大苦戦したが、ここへ来て直近で7勝1分とかなり好調だ。逆に13位の北海道コンサドーレ札幌は調子を落としてやや困惑気味に見える。アルビレックス新潟は昇格組とは思えないほど良いサッカーをしているが、エースの伊藤涼太郎(シント=トロイデン/ベルギー)が抜けた穴を今後どう埋めるかだろう。

 京都サンガF.C.も奮闘はしているが、この夏場とリーグ中盤以降のいろんなプレッシャーがかかってくる状態でどう踏ん張れるか。横浜FCはシステムを変えたことで、生き返るきっかけをつかんだように見える。

 柏レイソルは監督交代でブーストがかかるはずだったのが、リーグではうまく結果が出ずに苦戦している。湘南ベルマーレは失点数が多くなってきて、勝ち点を積み上げづらくなったところをこの夏に補強し、守備の立て直しに取り組めた。

 G大阪、札幌はまだ余裕があって、新潟と京都がやや危ない。やはり残留争いの中心となるのは、勝ち点2差のなかにいる横浜FC、柏、湘南の下位3クラブになってくるだろう。

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