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過酷なJ1残留争い 尻に火が付いている3チームのサバイバルを水沼貴史が考察 (5ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

【9月までが勝負 タフなコンディション下の戦いになる】

 リーグ再開の第22節で、横浜FC、柏、湘南の下位3クラブがいずれも勝利を挙げ、しかもそれぞれがいいきっかけとなる手応えをつかんだ内容だった。残留のためには、勝利できれば文句なしなのはもちろんのこと、どれだけ負けを引き分けにできるか。あるいは引き分けを負けにしないか。この勝ち点1をどれだけ積み上げられるかも重要になってくる。

 そのためには追いつかなければいけない場面、逃げきらなければいけない場面、スクランブルになった時にどんな交代選手、どんな形を準備できているか。先発メンバーだけでなく、ベンチも含めていいコンディションを整えておくことが求められる。

 その上で終盤に差しかかればプレッシャーはより大きくなるし、試合数が少なくなるにつれ1節の結果ごとに勝ち点を計算して、試合はよりデリケートになっていくもの。そういう展開になる前にどのクラブもこの混戦から抜け出したいと思っているだろう。

 これは優勝争いでも言及したが、10月のブレイクを挟んでコンディションは一度リセットできる。だから8月から9月いっぱいまでの気温が高く、タフな時期に、どれだけ後れを取らずに勝ち点を積み上げることができるか。勝負のラスト5節に入る前に、下位のクラブがどのように並んでいるか注目したい。

水沼貴史 
みずぬま・たかし/1960年5月28日生まれ。埼玉県出身。浦和南高校、法政大学で全国優勝を経験。JSL日産自動車でも数々のタイトルを獲得し、チームの黄金時代を築いた。日本代表では国際Aマッチ32試合出場7ゴール。Jリーグスタート時は横浜マリノスで3シーズンプレー。引退後は、横浜F・マリノスのコーチや監督を務めた。現在は解説者として活躍中。

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