低迷するレイソル「井原カラー」は降格圏脱出へカンフル材になっているのか (3ページ目)
【最下位から脱出したものの...】
もちろん積極的な守備は、リスクが伴うもの。それでも失うよりも、奪うことを意識した姿勢が流れを大きく変えた。右サイドバックも高い位置を保ち、そこから多くのチャンスが生まれている。終了間際の武藤雄樹の決定的なシュートが決まっていれば、柏はおそらくこの戦い方に自信を持ったに違いない。
しかし、結局ゴールは生まれず、スコアレスドローで終了。勝ち点1を加え、最下位から脱出したものの、好転のきっかけを掴むことはできなかった。
リスクを負うのか、セーフティに進めるのか。もちろん対戦相手や戦況に応じて選択肢は変わるものの、柏にとっての最適解はまだ見出せていないように映る。
「点を取ってくれているのに自分たちが守りきれない試合が続いていたので、点が取れない時はゼロで守りながら、最低でも1ポイントを積んでいくことをマストでやり続けなければいけない」
古賀はこの日の引き分けを最低限の結果として受け止めている。しかしシーズンが進み、残留争いがより現実味を増してくれば、3ポイントが必要な状況が訪れるだろう。
理想と現実の落としどころを、どこに見出すのか──。決断の時間は、決して多く残されてはいない。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
【画像・図】柏レイソルの布陣は?2023「J1全18チーム」序盤戦フォーメーション
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