イニエスタがガビに要求したユニフォーム 「バルサはかくあるべし」と伝えているかのようだった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「メッシの後継者」と言えるが、リオネル・メッシを輩出する前から、ラ・マシアでは各カテゴリーにこの系統のアタッカーが必ずいた。

 不安定な天候でピッチは雨で濡れ、神戸の選手たちのパスやコントロールは少しずつ狂ったが、イニエスタだけは優雅さを失わなかった。ボールを走らせ続けた。

「バルサとは何か?」

 イニエスタはバルサの若手にも、神戸の選手にも、プレーで指南していたのかもしれない。7月1日、神戸。J1北海道コンサドーレ札幌戦が、イニエスタの日本ラストゲームになる。

プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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