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30年前ともに「弱小」だったレッズとガンバの明暗 かたやアジア王者、一方はリーグ最下位...歴史は繰り返されるのか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

【最後のタイトルは2015年】

 開幕の柏戦後は、まだポジティブだった。

「勝てそうなゲームを落としたとか、ボールを支配しているところで3点目が取れていればとか、試合が終わった時にそういった感情になることはここ数年、なかなかなかったこと。もちろん勝ちたかったし、勝ち点2を失ったのは間違いないですけど、ポジティブな悩みだと思っています」

 そう語っていたのは、宇佐美貴史である。新たなスタイルに手応えを掴んだからこその前向きな発言だった。しかし、この日は違った。

「ボールは保持されていましたけど、点をうまく取れたし、全員で粘り強く守れていた。ただ、前半の終わりと後半の頭という失点するタイミングもそうですし、うまくいってない感じですね」と、肩を落とすだけだった。

「個人としても力不足を痛感した」という宇佐美は、「大変な状況ですけど、何とかしようとみんな頑張っている。なかなかこういう状況になると続けることも難しくなってくるけど、全員で力を振り絞ってやっていきたい」と必死に前を向いた。

 まだ13試合を終えただけと言える一方で、すでに13試合も終えたとも言える。かつては優勝を争ったライバル相手に、組織力の差を見せつけられての完敗である。そのダメージは、決して小さくないだろう。

 2015年の天皇杯優勝を最後にタイトルから遠ざかり、ここ2年は残留争いに巻き込まれている。そして今季もわずか1勝と苦しむG大阪は、再び低迷期に足を踏み入れつつある。

 果たして歴史は、繰り返されるのだろうか。

著者プロフィール

  • 原山裕平

    原山裕平 (はらやま・ゆうへい)

    スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。

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