30年前ともに「弱小」だったレッズとガンバの明暗 かたやアジア王者、一方はリーグ最下位...歴史は繰り返されるのか (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

【あまりにも不甲斐ない敗戦...】

 浦和は開幕2連敗と出遅れながら、その後に4連勝を達成するなどすぐさま結果を出し、その勢いのままにアジアの頂点に立った。ポーランド出身のマチェイ・スコルジャ監督の確かなチーム作りが、早くも成果として表れている。

 一方のG大阪は昨季まで徳島ヴォルティスを率いたスペイン出身のダニエル・ポヤトス監督を迎え入れ、4-3-3の布陣によるポゼッションスタイルに舵を切ったものの、理想形には程遠い状況にある。

 開幕の柏レイソル戦では終了間際に追いつかれ引き分けに終わると、2節以降も結果を出せず。7節の川崎フロンターレ戦でようやく初勝利を挙げたものの、8節からは再び勝利から遠ざかり、3連敗の状況で迎えたのが、この浦和戦だった。

 いい意味での割り切りが見られた前半は悪くなかった。ポゼッションにこだわらずシンプルに裏を狙うプレーで、相手のラインを押し下げる策が奏功。23分にはイッサム・ジェバリの鮮やかな個人技から先制点も奪っている。

 もっとも前半終了間際にPKを献上し追いつかれると、後半は選手交代で戦局を動かしてきた浦和の攻勢に耐えきれず、ミスも相まって立て続けに2失点。その後の反撃も単発にすぎず、ビハインドを取り返せないまま1-3の完敗に終わった。

 これでG大阪は4連敗。横浜FCにかわされ、ついに最下位に転落した。

 あまりにも不甲斐ない敗戦だった。先制したことで受け身に回り、相手の変化にも対応しきれなかった。そこにミスも加われば、結果を手にすることは難しいだろう。遠路はるばる駆けつけたG大阪サポーターが怒りのブーイングを浴びせたのも、さもありなんの内容だった。

「姿勢に関しては悪くなかったと思います。全員が勝つためにすべてを出しきる姿勢は出ていた。ただ、自分たちが犯したミスや決定力のところは改善が必要だと思います」

 ポヤトス監督はそう振り返ったが、結果が出ていない状況下では、その姿勢を保つのも困難になるだろう。

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