苦肉の策「典型的CB→急遽SB起用」が大当たり。昨季MVP岩田智輝の穴を埋める上島拓巳は横浜FM連覇のキープレーヤー (3ページ目)
【マスカット監督も大満足】
上島が言うように、横浜FMのサイドバックはオーバーラップだけではなく、中央に位置取り、攻撃の起点となる役割も求められる特殊なポジションだ。しかし、その役割を放棄し、守備の強度を高める仕事をこなすことが、上島の最大のミッションだったのだ。
そして、センターバックの上島を右サイドバックに置くことは、横浜FMの戦い方の選択肢を増やすことにもつながるだろう。
「僕がバランスを取ることで、左サイドがより高い位置を取れたり、守備の強度を高めたり、セットプレーのところで強さを出すという部分は、ほかの(右サイドバックの)選手にはないものだと思います。オプションのひとつとしてそういうものを与えられたら、またチームに貢献できる要素が増えるのかなと思っています」
もちろん、センターバックのポジションを確保したいという思いは強く持っているだろう。それでも複数ポジションに対応できれば、自身の出場機会も増えるはずだし、チームとしての戦い方の幅も広がる。
柏からのニューカマーが、連覇を目指す横浜FMのキープレーヤーになるかもしれない。
「いつもと違うポジションでも責任感を持って、チームを助けてくれた。柔軟性を持って、しっかり対応してくれました。1点目にも絡み、彼のプレーが誇らしかったです」(マスカット監督)
苦肉の策が生み出した思わぬ成果に、指揮官も満足していることだろう。
★中村俊輔選手との鼎談全文(合計33ページ)収録★
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webスポルティーバの大人気対談
「中村憲剛×佐藤寿人 日本サッカー向上委員会」が一冊の本になった!
書籍名は「ケンゴとヒサト サッカー人生以外も役に立つサッカーの話」。
ふたりが願う「日本サッカーのさらなる向上」を実現するため、さまざまなテーマに沿って対談形式で本音をぶつけあう。また、カタールワールドカップ直前企画として「ふたりの思い出のワールドカップこぼれ話」、さらにはふたりが熱望した元日本代表MF中村俊輔選手を招いて豪華な「スペシャル鼎談」も収録。プロとして20年近く現役を続けられたふたりの言葉は、「サッカー以外の人生」にもきっと役に立つ。
<中村憲剛さんからのコメント>
「長く第一線でやれたのには理由があります。その要因を紐解くことは、サッカーだけではなく、おそらくサッカー以外の社会や組織にも当てはまること。その『ヒント』になるようなものが、この本には詰められていると思います」
<佐藤寿人さんからのコメント>
「僕らはスポーツの世界で経験してきたことを話していますけど、それをうまく変換して『自分事』として捉えていただき、それぞれの環境で生かしてもらえたら。サッカーをやってきたなかで学んだことは、人生にも役立つんです」
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【発 行】 集英社
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【profile】
中村憲剛(なかむら・けんご)
1980年10月31日生まれ、東京都小平市出身。久留米高校から中央大学に進学し、2003年にテスト生として参加していた川崎フロンターレに加入。2020年に現役を引退するまで移籍することなく18年間チームひと筋でプレーし、川崎に3度のJ1優勝(2017年、2018年、2020年)をもたらすなど黄金時代を築く。2016年にはJリーグMVPを受賞。日本代表・通算68試合6得点。ポジション=MF。身長175cm、体重65kg。
佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。
プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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