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横浜F・マリノスから世界をうかがう山根陸。「アシストより「チームのリズムを変えるのに快感がある」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

【試合の流れを変える快感】

――どんな時に、サッカーの楽しさを感じますか?

「試合中だったら、スルーパスが通った瞬間とか......。自分はジュニアユースの時から飛び級させてもらって、レベルが高い環境でやらせてもらっていたんですが、そこで成功体験があると"おっ"となります(笑)。その感じがモチベーションになるのは今も変わらなくて。相手の逆を取った瞬間は、やっぱり楽しいです」

――山根選手にとって"いい選手"の定義とは?

「自分のポジション的には、"チームを勝たせられるボランチ"ですかね。だから、何でもできないといけない。圧倒的に勝利に導けるものを持っていれば欠かせない存在になるので、それがいい選手ですかね」

――多摩川の近くの生まれですが、サッカー選手としての原点は?

「8歳上の兄がいるんですが、家の前でよくサッカーをしていました。僕はまだ幼稚園の年長だったんですけど、そこで兄とふたり、ボールを蹴って。ひたすら兄に向かってボールを蹴り、戻ってきたのをまた蹴って、ボールを蹴るのがとにかく楽しかったので、そこが原点ですかね。兄が入っている少年団に入って、F・マリノスのスクールに通うようになりました」

――最後に、"これぞ山根陸"のプレーとは?

「攻撃のところでリズムを変えられたり、拮抗したなかでアクセントを入れられたり、その瞬間が自分の価値というか、"いる意味"を出せる瞬間だと思っています。本来はMFとして、アシストとかが一番"これだ"って言うべきものなのかもしれないですけど、自分はその感覚よりも、試合の流れを変えたり、チームのリズムを変えたりのほうに快感があります。そこはユースの時からプロになっても変わらず、自分のなかで好きなプレーですね」

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