川崎フロンターレらしさとは何か。打ち合い上等スタイルで「常勝軍団」の肩書きを手にしてほしい (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

3連覇の偉業を成し遂げたら...

 その戦いぶりは、ボールを持てなくても激しい対応で相手の手鼻をくじき、セットプレー一発で勝利を手にする、往年の鹿島のようだった。

 チャレンジャーがチャンピオンになり、チャンピオンがチャレンジャーになった。いわばこの試合は、両者の立場が入れ替わり、現在地を浮かび上がらせる象徴的なゲームでもあったのだ。

 川崎が現在のJリーグを牽引する存在であることは間違いない。しかし、常勝軍団の肩書を手にするには、決定打が不足する。その要素のひとつが3連覇だろう。30年目を迎えたJリーグの歴史において、鹿島しか実現したことのないその偉業を成し遂げた時に、川崎は"常勝"にふさわしいチームとなるはずだ。

 もっともその手段には、やはり川崎らしさを求めたい。手堅く逃げきる"よそ行き"のサッカーではなく、これまで培ってきた"打ち合い上等"の攻撃スタイルで3連覇を成し遂げてこそ、価値があると思うのだ。

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