今季のJ2で接戦が続く理由。首位・横浜FCが昇格に一歩前進も指揮官は「不安定で苦しい」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 その法則に従えば、やはり横浜FCのドイツ人GKスベンド・ブローダーセンの存在がJ2では別格だろう。足技は決して得意ではないが、味方をうまく使いながら、最善のポジショニングを取り、神がかった反応でビッグセーブを出せる。クロスの対応や1対1で怯まずに突っ込む迫力も満点で、勝負の潮目を作れる守護神だ。

 横浜FCは2019年に昇格を決めた時も、GK南雄太がMVP的な活躍を見せている。42試合の長丁場の戦いで、ゴールマウスが安定するか、うまくいかないなかでも、どうにか踏ん張れるかは、GK次第だ。

 GKの次にはストライカーということになるが、必ずしも得点王が昇格に直結しない点は興味深い。

「チーム一丸となってシーズンを戦うことで、逞しくはなってきています。でも、まだまだ足りない。1年を通して成長し、少しでもレベルアップできるようにしたい」
 
 四方田監督はそう言って、勝って兜の緒を締めていた。

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