水沼貴史が選ぶJ1中盤戦の注目選手ベストイレブン。「数字的に圧倒」「必死さが伝わってくる」期待のGK&DFとは?

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

水沼貴史が選ぶ、J1おすすめの11人 GK&DF編  MF&FW編はこちら>>

代表戦で中断していたJ1は、6月18日の第17節から再開される。リーグも中盤に入っている現在、注目の選手は誰か。解説者の水沼貴史氏に、今、見ておくべきおすすめの11人を紹介してもらった。ここではGKとDFの5人を挙げる。

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今季の横浜F・マリノスで欠かせない選手になっている小池龍太今季の横浜F・マリノスで欠かせない選手になっている小池龍太この記事に関連する写真を見る

現在リーグ最少失点の理由

村上昌謙(GK/アビスパ福岡)

 福岡は12位(第16節終了時点)ながら、失点がリーグ最少の10点という結果がすばらしいと思います。今季はルヴァンカップで1試合だけ3失点しましたが、それ以外では2失点以上している試合がなく、数字的に圧倒しています。その大きな要因のひとつがGK村上の存在です。

 村上は昨年初めてJ1を経験して、今季は残留を達成したあとの2年目で難しいシーズンになると思っていましたが、ここまで彼を中心とした堅守によって僅差のゲームをものにしてきています。

 チームのスタイルとして、ある程度守備ブロックを下げて守る場面もあり、必然的にシュートを打たれる回数は多くなるはずです。そのなかでこの失点数というのは、シュートストップの技術だけではなく、DFを動かしつつ守らなければ難しい。セービング、コーチングの能力ともにすばらしい証拠だと思います。

 チームとしてGKがビルドアップに参加する場面は少ないこともあり、村上は現代的なGKというくくりには入らないかもしれない。でももっとも大事なゴールを守る点において、見事な成果を出していると思います。

小池龍太(DF/横浜F・マリノス)

 マリノスのチームスタイル的に、サイドバック(SB)は重要な役割を担っています。そのなかで小池は技術的にもより向上していて、今季は得点がとれていて、アシストでゴールにも関与していることから、チームに欠かせない選手となっています。

 さらにケガ人が多かったり、ACLでの過密日程が厳しかったり、選手をやりくりするのが難しいシーズンのなかで、小池の存在はより大きくなっていると思います。

 本職は右SBですが、右に松原健が出る時や、左が本職の選手を休ませる時に小池を左に回すことができる。左右だけでなく、ボランチもできることから、彼の高いポテンシャルが柔軟な起用を可能にしています。

 性格的にも「チームのために」というのが前面に出る選手で、非常に頼もしくなってきていると思います。森保一監督が考えるラージグループに入っていると思いますが、日本代表で見てみたい選手のひとりです。

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