「シュートのインパクトがすごすぎる」「やっぱりセンスがある」MF&FW。水沼貴史選出のJ1おすすめベストイレブン

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

水沼貴史が選ぶ、J1おすすめの11人 MF&FW編  GK&DF編はこちら>>

解説者の水沼貴史氏が紹介する、J1で今見ておくべきおすすめの11人。MF&FWで挙げてもらったのは6人。再開後のリーグでワクワクする選手は誰か。

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今季の鹿島アントラーズの好調の要因となっている樋口雄太今季の鹿島アントラーズの好調の要因となっている樋口雄太この記事に関連する写真を見る

今の鹿島を象徴する存在

樋口雄太(MF/鹿島アントラーズ)

 樋口は今の鹿島を象徴する存在です。昨季は鳥栖でも同じように相手にプレッシャーをかけてボールを奪い、攻撃ではボールをつないでいくサッカーをしていました。そのなかで彼はどこでもできる選手です。

 運動量とハードワークというベースがあって、その上でボランチをはじめ、1アンカーの形もできるし、トップ下もできるし、ワイドのポジションもできる。鹿島が真っ先にほしかった選手だと思います。

 レネ・ヴァイラ−の求めるサッカーにもハマって、セットプレーのキッカーとしても貴重な存在。絶対に外せない選手のひとりになっています。

 今季、三竿健斗をチーム事情もあってセンターバック(CB)へコンバートしたり、ディエゴ・ピトゥカをより攻撃的な位置で使えたり、樋口ひとりが入ったことで、周りの選手をいい意味でチームのやりやすい形に変えることができたと思います。

 さらに今季はアルトゥール・カイキや和泉竜司が、攻撃だけでなく守備でのハードワークを頑張れる選手になっていて、守備のバランスが崩れている時には鈴木優磨も献身的に戻ってくる。

 樋口を中心に、そうした周りの選手たちの献身的な働きが向上したことが、今の鹿島の好調の大きな要因ですね。

マテウス・サヴィオ(MF/柏レイソル)

 今季のマテウス・サヴィオは本当に変わりました。彼ひとりで攻撃を担っていると言っていいレベルです。とくにシーズン序盤のスタートダッシュは、彼の活躍なくしてはできなかったですね。

 柏は昨季の中心選手であったクリスティアーノが移籍したことで、不安要素は相当大きかったはずです。でもその影響でマテウス・サヴィオが逆にのびのびとプレーするようになって、自分がやらなければいけない責任感も生まれていたと思います。

 チーム全体で守備のバランスがある程度固まってきて、そこから前に出ていく推進力として、ドリブルで長い距離を運べる、シュートが打てる、ラストパスも出せる。柏の今の形で、マテウス・サヴィオがいなければ攻撃は成立しないというくらい重要なピースになっています。

 一方で相手からすれば彼を止めればいいと、ある意味わかりやすくなっているでしょう。でもそうなった時に細谷真大が成長して、そこがもうひとつの強みになっています。

 マテウス・サヴィオがいるから細谷が生きる、細谷がいるからマテウス・サヴィオが生きると、相乗効果が生まれて柏の攻撃がより活性化され、今季の好調の要因になっていると思います。

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◆【画像】水沼貴史が選ぶ、歴代日本人ドリブラートップ10

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