水沼貴史が選ぶJ1中盤戦の注目選手ベストイレブン。「数字的に圧倒」「必死さが伝わってくる」期待のGK＆DFとは？ (3ページ目)

必死な思いが伝わってくる

田代雅也（DF／サガン鳥栖）

　田代はJ2で苦労してきて、なかなか花開くチャンスに恵まれず、悔しい思いをしてきた選手です。昨季から鳥栖に所属していますが、今季チャンスが巡ってきてレギュラーの座を掴みました。

　鳥栖はうしろからビルドアップをしっかりやって相手を崩していくスタイルですが、田代はそこまで足元の技術がうまい選手ではなかったと思います。どちらかと言えば跳ね返したり、球際の強さだったり、リーダーシップを発揮したり、そういう面を強みとして持っていました。

　そこでどのように彼が存在感を発揮しているのかを見ていくと、守備面とセットプレーで先ほどの強みを出しながら、今季はロングフィードの精度が上がっているんです。昨季、エドゥアルドが担っていたフィードの部分を今季は誰がやるのかという課題が鳥栖にあったなかで、それを田代が解決してくれていると思います。

　一度話す機会があって「頑張ってるね」と声をかけたら「もうチャンスなんで」と、つかんだチャンスを絶対に離したくないという必死な思いが伝わってきました。田代のような存在がチームを活性化させ、競争を生み、よい循環を作り出してくれると思います。

水沼貴史氏が選んだサブメンバー（GK＆DF）

高丘陽平（GK／横浜Ｆ・マリノス）
古賀太陽（DF／柏レイソル）
岩田智輝（DF／横浜Ｆ・マリノス）