かつてJリーグにいた「浪速の黒豹」パトリック・エムボマ。今でも記憶に残っている日本人選手とは? (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • 木鋪虎雄●撮影 photo by Kishiku Torao

「稲本のことももちろん覚えている」

「もちろん、覚えています。デビュー当時はまだ17歳で、非常に若かったですね。ユース年代の代表に選ばれるほどで、当時からとても優れた選手だと感じていました。だから彼がアーセナル(イングランド)に移籍することを聞いても驚きはしませんでした。彼ほどの能力があれば当然だと思っていたくらいです。

 アーセナルのあとにフルハムやウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン(ともにイングランド)などさまざまなクラブを渡りましたが、ケガなどもあり、彼本来の力を発揮できなかったことは残念に思っていました」

 ガンバ時代だけでなく、その後のキャリアのことまで記憶していた。稲本がいまだ現役であることを伝えた。

「すばらしいですね。選手のなかには非常に息の長い人がいるものです。カズさんのように。印象深い選手は挙げればまだたくさんいますが、キリがないのでここまでにしておきましょうか」

 インタビュー時間いっぱいまで、懐かしいJリーグ時代のことを話してくれたエムボマ。日本のサッカーファンだけでなく、本人にとっても日本での時間はキャリアのハイライトのひとつとして大事に記憶されているようだった。

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