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アルシンドが選んだ自身のベストゴールと日本のベストプレーヤーたち。「カズは外せない。井原は頭痛の種だった」

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

Jリーグ2022開幕特集
アルシンドインタビュー(2)

 日本での思い出といえば、やはり忘れられないのは私が決めたゴールの数々だ。ああ、本当にいっぱいのファインゴールを決めたんだよ。

 そのひとつは日本でのデビュー戦、最初の試合は名古屋グランパス戦だった。GKの頭の上を抜いたあれは見事なゴールだった。もうひとつ忘れられないのは国立でのヴェルディ川崎とのチャンピオンシップ。私は胸でボールをコントロールし、そのまま足元に落としてシュートを放った。確か、これはその年のリーグのベストゴールのひとつに選ばれたはずだ。ヴェルディ時代でいえば、左足でゆうに20メートルはあるロングシュートを放ったことがある。ボールはゴールの隅に突き刺さった。

 はっきり言って、自分がいったい何ゴールを決めたかを数えていないんだ。え、86? そんなに少なかったかなあ。とにかくすべては覚えちゃいない。先ほど挙げたのは自分が選んだベスト3だが、ぜひ日本の皆さんが選ぶベスト3も知りたいね。この記事を読んだ読者の人に教えてもらえればうれしいよ。

プレーはもちろん、独特のキャラクターでJリーグ草創期の人気者となったアルシンドphoto by Yamazoe Toshioプレーはもちろん、独特のキャラクターでJリーグ草創期の人気者となったアルシンドphoto by Yamazoe Toshioこの記事に関連する写真を見る 日本で私が対戦、もしくはともに戦った選手のなかからベスト10を選ぶのは難しい。少なくとも50人は挙げないといけない。これほど優秀な選手がいるとは、日本に行く前は思ってもいなかった。いい意味で大いに驚かされたよ。

 まずカズ(三浦知良)は絶対に外せない、それから柱谷(幸一)。ああ、彼はすごかった。井原(正巳)は私の頭痛の種だったし、ラモス(瑠偉)も偉大だった。彼は日本代表でも奇跡を起こした。長谷川(祥之)もいいプレーをしていたし、本田泰人は天才だ。当時の日本のベストプレーヤーのひとりだったと思う。あと北澤(豪)。私は彼のファンだった。前園(真聖)とプレーするのはとても楽しかったね、武田(修宏)もすごく優秀な選手だった。

 私と一緒にプレーしてくれ、私に多くのゴールを決めさせてくれた選手たち。彼らとともにボールを蹴った経験は私にとっての宝物だ。

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